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PHOTONEXT2012では写真系のベンチャー企業も燃えた

日本というのは、失敗を許さない文化だと思う。慎重に事を運び、あまり新しい事には手を出さない。リスクを取りたくないのだ。多分、この姿勢の根底は江戸時代に形成されたものだろう。

 周知のように、江戸時代は徳川幕府が統治しやすいように、民の間には相互の監視システムである五人組制度を築き上げた。当然ながら、その組のうちで誰か一人が失敗するような突飛なことや前例がないことをしようとすると、絶対に阻止する。留められないとわかったら、恐れながらと事が公になる前におかみに訴えてしまう。誰かに密告でもされたら自分たちも同罪になる。それなら、自訴したほうがいいからだ。かくて、民衆は目立つことや新しいことにチャレンジできなくなったのだ。では、侍はどうだろうか。こちらに至っては、失敗したら腹を切らないといけない。また、身に覚えが無くても疑いをかけられたら、やはり自分の潔白を示すために遺書を残し腹を切らねばならない。どちらにしても、死しかない。これでは、失敗も避ける方向にいくだろうから、当然ながら新しいことにもチャレンジしない。

 日本は、その後、幾多の時代を駆け抜けて経済的には急成長を遂げてきた。一時は、この手堅い姿勢や技術力からトップグループに入ってきた。が、今やその地位も危ない。これは、保守的な手法にばかり頼り、革新的な芽を育んでこなかった報いだろう。その根底には、失敗への恐怖があるのだろう。

 が、世の中、動いているのだ。経済は生き物だ。保守路線も場合によってはいいが、常に革新も頭にいれておかないと立ちいかなくなるのは当然だろう。

  で、その革新的な流れの具体的な存在は、新規技術なりアイデアを持ったベンチャー企業だろう。この種の企業の起業家たちの育成がなければ将来の発展などありえない。だが、米国などと比べるとどうもいけない。聞くところによると、日本のベンチャーキャピタルはまず、担保などを重視して、いざ会社がこけても投資したお金は戻るように極力配慮する。まぁ、これは利益を追求するために貸し出すのだから当然かもしれない。だが、あまりにもこのことに配慮しすぎると、もともとのベンチャーキャピタルとしての存在意義がなくなるのではないだろうか。

 その点、シリコンバレーを持つ米国は違うそうだ。いわゆる、アイデアのみを重視して、起業家の個人資産や過去などにはあまり拘泥しない。だから、一度起業して失敗したところで、またアイデア次第で復活できるというわけだ。もちろん、手放しに米国方式が良いと言っているのではない。だが、その実績として、シリコンバレーから多くの世界的企業が育っている。それらが米国の世界経済での地位を不動たらしめている。これはまごうことなき事実だろう。

 フォトネクスト機材七 (2).jpgこれは大きな課題だ。できれば、国を挙げて予算をくみ、ベンチャーキャピタルを通じて、失敗したら、その投資は諦める。が、成功したら通常の概念より多めの利子をつけて回収する。そういう形でベンチャーに融資しないと、今後も新たな起業家は育ちにくくなり、ひいては日本が世界の流れからますます取り残されていくだろう。リスクを取らないのが最大のリスクなのだ。

 もっとも、これは日本や世界という大きな話ではない。もっといえば、各業界のショーの在り方も同じだ。ベンチャーと言うと、それ専門のショーもあるが、少なくても、その業界主催のショーでは業界のベンチャーをみせるべきだろう。

 そういう点では、今回のPHOTONEXT2012は多くの新規企業が出揃っていた。まず、ネット系の写真販売サイトを立ち上げたベンチャーの王道のようなシステム系のエグゼック。さらに、センコーポレーションのように初期費用ゼロ円を高らかにうたったところ。また、機材系もすごい。エーディテクノという動画などのカメラ用の外付け液晶モニターを発売しているところは、社長自らが『なぜ、このテの製品は市場でこれほど高いのか』という点に疑問を持って、安く高品質な製品を取扱い、急成長している。当然ながら、ここのブースには多くの若手カメラマンらが訪れて、熱心に商品を観ていた(写真)。また、様々な事業を手掛けるクロスワンも相変わらずに集客していた。ほとんど開拓されていなかったキッズカメラの分野に商機を見出したアイデアはさすがに、飲食業から身を起こし、次々と事業を成功させただけのことはある。いずれにしても、今回はベンチャーの勢いを感じたショーでもあった。ただ、惜しむらくは、ベンチャーに対して、何らかの特例を講じなかったことだろう。そのあたり、主催者は今後配慮して欲しい。何せ、フォトネクストという次代を担うタイトルのショーなのだから。

 ともかく、PHOTONEXT2012では写真系のベンチャー企業も燃えた、のだ。

 しかし、つくづく思ったのだが重い資料をショルダーバッグにいれてぶら下げて動くのは辛い。ある日腰に来たのである。人間の身体の一部も新規で取り換えられないものだろうか・・。
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コメント 2

kiii

おっしゃるとおりだと思います。
日本の大型の展示会は出展料が非常に高く規模の大きい企業しか出れないような雰囲気があるようです。(カメラアクセサリーベンチャー企業曰く”アメリカでは展示会等のようなものが安く出展できて活気がある。しかし日本は非常に閉鎖的だ。”というコメントを思い出しました)
失敗を恐れるという風潮が社内に蔓延すると新しいアイデアも行動も消極的になってしまう気がする。
by kiii (2012-07-04 13:34) 

ケンシン

 kiiiさん、コメントありがとうございます。そうんですよね。ベンチャー企業の活発でない国は衰退の証拠ですし、これが前面に出てこない業界は先行きが不安ですよね。業界ショーの関係者の皆様には、是非何らかの措置を一考してほしいです!
by ケンシン (2012-07-05 22:57) 

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