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用品メーカーの奥深さを改めて実感した今年のCP+

  人間というのは、実はわからないものだ。まぁ、他人については当たり前の事だろう。これは、考えても仕方がない。他人がどう思うと、それは他人の問題であって、自分の問題ではないからだ。と、アドラー哲学でも言っている。

 問題は、自分のことが実は自分が一番わかっていないということだ。

 
 いや、自分はわかっている、と言う人もいるだろう。だが、よく掘り下げてみると、自分というのは驚くほどわかってないものだということがわかる。典型的なのが、自分の適性で。掘り当ててみると、意外に自分が以前から当たり前のようにしていたことであったと改めて気づくことがある。結果、ちょっと当惑したりもする。ワクワクがなかったりするからだ。

 あるいは、自分が真面目だと思っていたのだが、よくよく掘り下げてみると、結構、詰まらない人間だったということがわかったりする。いや、本質的には、ふざけた奴だと思ったりするのだ。もっとも、それがわかり、妙に安心したりもするから不思議だ。

 マルミノヤロー (320x240).jpgそういう意味でも、今回のCP+というのは、いろいろと掘り下げてみると様々な発見があった。

 実は、最初に会場を訪れる前までタカをくくっていたところがあった。こちらは、事前に主要メーカーには出し物を聞いていたし、こういう感じだろうと思っていたのだ。だが、である。いざ、行ってみると、とんでもない掘り出し物が多かったのだ。

 sirui (320x240).jpgまずは、マルミ光機のエグザスαだろう。要は、保護力を究極まで高めた硬質のフィルターで。枠の部分も強固にしている。会場では、実際に鉄の球を落としての耐久テストをデモで行っていたのだが、本当に保っていた(写真)。久しぶりに、マルミが新製品という感じだが。保護フィルターが最初としても、価格はどうなのかだ。いずれにしても、これには驚かされた。ここの広報のマッサンにはとぼけ通されたということだろう。また、ケンコー・トキナーのブースは産学共同の製品で、大阪芸大のバッグは聞いていたのだが、大人のランドセルまであるとは意外だった。さらに、グループ会社のKPIは、あんな高級バッグ群を出すとは思っていなかった。ここにも、事前に取材していたのだが、ヨン様みたいな広報担当は一言も言っていなかったぞ。同じくグル―プ会社のサイトロンジャパンは、スマホ用のレンズとのキット品を出すしなぁ。これも、ここの風雲児の社長は胸に秘めていた。あと、浅沼もこの夏発売の新製品が多かったのだが、あんなスマホのホルダーは初めて見た。あと、シルイがバッグを参考展示とはいえ、並べるとは思わなかった(写真下)。おまけに防湿庫までとは。。他にも、数多くのものを観たのだが、あまり書くと次の業界紙のほうで書くネタがなくなりそうなので、やめておく。

 いずれにしても、用品メーカーの奥深さが改めてわかった今年のCP+であった、のだ。

 しかし・・本当にわからないよなぁ。。だいたい、実は今回はCP+後に飲み会に参加したので、酔っ払いの会話を極めて冷静に見ることができた。実は、いつも酔っぱらう側だったのだが、今回は眼の手術の後ということもあり、呑めなかったからだ。まさか、まさか。桐谷美鈴さんの件で、あんなに話し合いがもたれるとは。。

マンフロットのbefree oneは写真用品メーカーの勇気を象徴するアイテムだ

  プロ写真家として一応食っていく程度のポジションを得られるかどうかは、実は紙一重だという。だいたい、写真を撮影するのが好きだからプロの世界に飛び込もうというのである。それなりの知識はある。腕だって、そのへんの素人よりはいいに決まっている。そこでハードルは少ない。

 要は、現場で先輩の知識を盗み、コネを作り、少しでも機会があったら逃さないようにする。それを粘り強くやっていけば何とかなる。

 これは、こう書くと意外に難しく感じるかもしれないが、最初に現場入りしてしまえば、あとはアドレナリンが出て、することは難しくはない。要は、最初に現場に飛び込むこと。実は、ここの踏み出しが一番難しいようだ。

 このことは、在籍する業界紙にも書いたのだが、印象的だったので敢えて再掲させてもらう。

 知人にプロ関係者がいる。彼の知り合いに、カメラマン志望の若者がいたという。熱心だし、センスも悪くなさそうだ。その折に、友人のカメラマンがアシスタントを募集しているという話を聞いた。早速、その若者に連絡をとって紹介し話をまとめた、という。若者も非常に喜んでいた。彼も気分が良かった。。が、結局、その若者はそこに入らなかったのだ。出社当日になって、連絡があったという。自分にはどうしても無理だ、と。あとで、若者はいろいろな理由を語っていた。そこの給料ではやっていけそうもない、とか。だが、結局は、飛び込む勇気がもてなかった、というのが真相のようだった。

 確かに、実際に現場に入ると、今までイメージしていたのと違うだろう。結構、地味な作業の繰り返しだ。だいたい、最初は写真撮影をさせてもらえない。自分のプライドだってズタズタにされるかもしれない。

 びーふりーわん.jpgそうはいっても踏み込まなければどうしようもない。逆に、踏み込んでしまえば、人間は意外にしたたかに能力を発揮していくものである。世の中でカメラマン志望の多くの若者が志望で終わるのは、この踏み出すか出さないかの差にすぎないようだ。

 もちろん、ここでカッコをつけて説教がましいことを書く気などはさらさらない。この飛び込む、ということがどれだけ大変なことかは理解しているつもりだからだ。だいたい、人間というのは変化を好まない心理がある。これは、防御本能に関わるらしいのだが、一度自分に果たして、それが安定した流れはそれでブロックがかかる。このことを崩すのは容易なことではない。これは、周りが客観的に見て、どうとか言っても仕方ない。本人の意識の上で平和かどうかなのだ。

 逆に言えば、この変化を乗り越えて、飛び込んだ人間は、それが例え思うほどの成果をあげなくても、かなり素晴らしいことをなしたことになる。一度、この勇気を持てば、それ以降は踏み出しを恐れなくなる。やってみたら、実はそれほど新たなチャレンジは不快ではない、とわかるからだ。そうして、何度かチャレンジしていけば、いずれは成果をあげるものも出てくる、ということになる。多分、世の中の成功者と言われる人間たちは、このパターンが多いのではないか。

 このことは、別にカメラマン云々の話だけではない。起業したいと考えても踏み出せない。新規事業をおこしたいといっても、なかなか腰が重い。すべてに通じることだ。

 その点でいえば、写真用品のメーカーは多くが『踏み出す』姿勢を持っている。ケンコー・トキナーなど、その典型だし、スマホによる4K動画撮影という新しいものを打ち出している。ベルボンはミラーブランドを扱いだして、プロ用の動画市場に本格的に参入した。さらに、マンフロットは重厚なブランドメーカーという立場に拘泥せずに、トラベル三脚などコンシューマ向けの馴染みやすい商材を多数投入。特に、befree三脚に関しては、さらに携帯性を高めたbefree oneを発売する。これらは、全てCP+で展示される予定で、用品メーカーの勇気のようなものも会場では感じられるだろう。

 まさに、マンフロットのbefree oneは用品メーカーの勇気を象徴する商材、なのだ。

 しかし、本当に今回のCP+は見どころが多そうだよなぁ。期間中は、ほかにもメディアメーカーの展開など用品だけでも見どころ満載だ。ちなみに、今回は自分が会場内で自慢の筋肉を披露すると約束していたベルボンのマタさんは、その露出はしないそうだ。ベルボンは今年、ミャンマーに工場を創るのだが、ミャンマー人向けに筋トレに集中しているからというのが理由のようだ。残念である。。

セコニックは真田丸のような強さと柔軟さで伸びていくのだ

 紳士協定というのは、当然ながらどちらも紳士ではないと成り立たない。

 いわば相手の人格への信頼感も必要だ。ただ、厄介なのはこの信頼感というのは目に見えない。だから、一方的になる場合もあるのだ。結果、簡単に約束を反故にされて、壊滅的な打撃をうけたりする。

 ライトマスター.jpgその典型的な例が大阪の陣だろう。徳川家康のいう事を一方的に信用した大阪方は、外堀と内堀を埋めて真田丸を壊すことになり、言いがかりをつけられて攻め滅ぼされた。ある歴史作家は「約束の履行を言える力のないものが力のあるものに履行を要求してもムリなものである」と書いていたが、まさにその通りだ。

 だいたい、今の時代もそうだが、本当に実力が拮抗する相手との接触というパターンが本当にあるのだろうか。ほとんどの場合が、不公平なパターンとなっている。そのために、やや条件のわるい側は独自のサバイバル術を使い生き残ることになる。が、何もこれは恥ではない。

 今の大河ドラマの真田家などは、周知のように典型的なパターンであった。生き残りをかけて、盟主を変えて、時にはゲリラ戦を展開して自分の立場を死守した。結果、幕末まで同家は存続した。これは、主君を裏切ることにかけては天才的な松永久秀なんかもそうだ。織田信長だって、まだ未熟なうちは正攻法ではなく、おべんちゃらやごきげんとりを、武田信玄や上杉謙信にしている。徳川家康だって、織田や豊臣などに同様のことをしているのだ。江戸時代では、その巧みだったのが、藤堂高虎で。この人ほど、うまく立ち回った人間はいない。ちなみに、そういう家風だったのか。幕末の戦で最初に官軍に寝返って幕府に攻撃をしかけたのは、この藩だ。もちろん、それは悪いことではない。生きるためなのだ。

 生きるためには、機略縦横で柔軟に行くべきなのだ。これが、実は力は公平ではない世界の鉄則だ。

 
 ところで、写真用品である。そういう意味では、まるで真田家のように機略縦横な指針で乗り切っているメーカーがある。露出計で知られるセコニックである。ここが面白いのは、常に堅実に商品開発をする一方で、告知PRを頻繁に行っていることだ。もちろん、専業メーカーなのでPRといっても、内容が単一になってしまう。そこで、どうしているかというと。うまく、他の専業あるいは商社系と連携をとってユニークセミナーを企画。あるいは参加して、うまくPRに勤めているのである。ストロボ倶楽部のイベントや、あるいは直近では3月21日に開催されるPAV(フォトアクセサリービレッジ)という用品メーカーがあつまってのイベントの共同開催などだ。昔でいえば軍事力に象徴されるような商品力とサバイバル的なPR戦略によって、セコニックは常に伸びているのだ。

 まさに、セコニックは堅い商品力と柔軟なPR力で真田家のように地位を確立している、のだ。

 ちなみに、セコニックの広報担当者の独特の文章力というのは結構注目すべきものがある。露出計以外の分野。用品全体に詳しい。そのユニークな語り口と幅広い知識から、次の用品工業会主催の一般向けセミナーが楽しみである。是非、落語的な語り口を期待したい

額縁の安井商店は常に柔軟であるのだ。

  世の中、何故こうも自分の論理だけでモノを考える人間が多いことか。。

 自分の価値観、論理こそが絶対と思っている。なので、他人が自分の価値観に合わないと批判する。実は、そういう人間にその姿勢についてそれとなく真意を聞いてみたことがある。すると、要は自分の価値観から外れている人間が信じられない、すなわち非常識であると考えていることがわかった。

 syashin-Y-1001-BL (320x320).jpgもちろん、自分の論理は自分で押し通してよい。だが、少なくとも他人は自分とは違う、ということを認めて、むやみにあげつらうものではないであろう。

 だが、どういうわけか。凝り固まった、こういう人間がえてして、浪花節的なものを気取ったりする。あるいは、信念があるということになっている。周囲の人間も、そういうのが鬱陶しいと思うのもいるだろうが、取り敢えず誉めないといけない感じになる。

 実は、自分の自意識だけに凝り固まった、こういうエセ浪花節がいかに多いことか。

 人は、本来は自由なのである。もちろん、人の財産や権利を侵害する行為はよくないが、どういうスタイルであろうが、どういう考えであろうが、本来自由なはずである。ある種のレッテルがはれないようなタイプだとしても、それもひとつのあり方として尊重されてもいいだろう。人は人には好き嫌いはあってもいいが、評価はすべきではない。

 例えば、判断に困る事例の人物はたまにいるのだ。その代表的な存在が薩摩の西郷隆盛であろう。彼の場合は、何がトップクラスかというとよくわからないのだ。剣術でもないし、政治力でもない。だが、何かしら一流の雰囲気なのである。不思議である。

 あらゆる、自分を縛ることはやめて、そろそろ人がどうあろうと自分流儀を貫いてもいいのではないだろうか。こんなことを、最近改めて思っている。

 ところで、写真用品である。そういう意味では、他の評価や自分の持ち前の概念に縛られることなく、自由にアイテムを広げている額縁の安井商店がある。ここのフォトフレームは、ちょっとした工夫を凝らしており、安いが、作りがユニークだったりする。老舗の専業額縁メーカーだって自由なのである。

 まさに、安井商店のフォトフレームは柔軟に幅広く展開するのだ。 

しかし・・本当に柔軟な発想で商品開発するのは、重要だよなぁ。こちらも概念に縛られることなく、最初に目についた酒を呑んでいくことした。。